ほとんど家にいる

フリーター時々ニートが世の中にある「死ねばいいのに」と思ったことを書きます。

「湯を沸かすほどの熱い愛」の男性不在。

 

「湯を沸かすほどの松井愛

 

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ではなく

 

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でもなく

 

「湯を沸かすほどの熱い愛」

 

という映画を観てきた。

節約のため自転車で片道約15キロ(しかも折り畳み)

ヒザが笑う。ヒザが笑う。(向井秀徳

帰りにコンビニで弁当を買ったので意味がない。

冷凍都市の暮らし。

 

映画の話の戻ろう。

 

☆4.5

 

泣いた。よかった。いい映画だった。

 

文章で

貶すことは簡単だが

褒めるのは難しいな。

 

ツッコミどころとかあるんですよ

時代錯誤な感じとか

あーあセリフで言わせちゃったよとか

あるんですけど

 

それこそこの映画に出てくる

宮沢りえのように力業で持ってかれる

 

全体として伝えたいことが

嫌いじゃない

この映画。

 

ツッコミどころとかあろうが

映画にとってはどうでもいいんだなと。

 

「人に伝える」ということに

もっと必死にならなきゃだめだな

と思いましたね。

 

 

気になるところ

 

・男性の不在

 

昨今の映画の流れでもあるが

悉く男性不在。

女が女だけで集まって

女だけで問題を解決してしまう。

男は置物。

女が開き直ると男は適わない。

 

(ちなみに

長女にとって下着姿になるところ

次女にとって小便を漏らすところ

が開き直るきっかけとなっている。)

 

劇中で宮沢りえも余命が判明し

捨てられた母に会いに行くが

父も出てこないし

旦那もほとんど眼中になし

 

思えば宮沢りえ自身のパーソナリティも

りえママというのは有名であるが

父親の話は出てこないのでナイスキャスティングだと思う

娘がいて離婚もしてるし。

 

男というものの存在意義が全くない

というのは

男として辛いものがある。

 

逆に言うと男に対して甘いのだ。

この監督は。甘すぎる。

 

フーテンのオダギリジョーに対しても

家族がすぐに受け入れるし

口では「お前が死んでも家族は支えていくよ」

と言うけど

そんなに一生懸命仕事してる感じもないし。

オダギリおまえ”そして父に”なれよ!

 

(「そして父になる」は父親の存在というもののをうまく描いてた)

 

例えばオダギリが駿河太郎に嫉妬するとか

駿河の姿を見て良い『父親』を演じようとするとか

そういう風に持ってけばよかったかなと。

 

せっかくオダギリの登場シーンで

『カレー』というものを出しているので

下手だけど子供たちにカレーを作ろうとするとか

死ぬ前に奥さんに教わるとか。

 

そうすれば

「男っていうものはくだらない生き物だけどかわいいからいいか」

と客に思わせることができたのではないか。

存在意義が生まれる。

 

今のままだとオダギリが存在意義ないというか

最初から最後までフーテンで変わらないし

「本当の母親」の問題も宮沢一人で解決しちゃうし

オダギリは大してリアクションしないし。

 

決意みたいなものを言葉ではなく

行動で客に見せてほしかった。 

宮沢りえが死んだ後の日常を見たかった。

 

・子供たち素直すぎ

 

オダギリは愛人と駆け落ちした話をするし

松坂桃李にしても子供の前で平気で「ラブホテル」とか言うし

大人たちはデリカシーゼロなのに子供たちの聞き分けが良すぎる。

全体的にそんな感じがある。

 

いじめの問題にしても

親に捨てられた問題にしても

松坂の問題にしても

本当に解決してるのか?

都合よく進みすぎじゃないか?

 

と思うんだけど

上の方に書いた通り

ツッコミどころがあっても

進む方向として嫌いじゃないので

許せる。

 

というか

「湯を沸かすほどの熱い愛」というタイトル通り

そういう細かいところよりも

伝えたいと思ったことは伝えなきゃ

という

熱量を描きたかったのだと思う。

それが共感した。

 

あと

いじめの描き方にちょっと時代錯誤感があった。

これだけ問題になっている現代で

制服盗まれた時の先生の対応とかデリカシーなさすぎではないか?

 

いじめだってわかるだろ普通?

前段階で絵の具まみれになったというのもあるし

一人だけ制服が盗まれるなんてのもそうないし

キングオブコメディパーケンじゃないんだから(笑)

 

あと宮沢が松坂に対して「北海道の方言出てないから嘘だ」と

言ってたけど

あんたらも栃木のくせに方言出てねーじゃねーか!(笑)

 

もういい

そういうことは置いておこう。

 

 

総評

 

下世話な話をすれば

杉咲花ちゃんのヴァージンは

松坂桃李に奪われるはず!

 

これは半分冗談だが

それくらいこの映画は劇中の後を想像させた。

「死」を廻る物語ではあったが

「未来」を感じさせた。

 

「良い終わりかたというのは

始まりを感じさせるものである。」

松岡正剛も言っていた。

 

そういういう意味では

杉咲花ちゃんも次女役の子もめちゃめちゃよかったし

中野量太監督の次の作品も

もっといいモノになると予感させた。

 いい作品でした。