26歳、童貞に会ってきた話
一昨日、友達の紹介で会った人。
26歳、童貞、月収10万、ガリガリ、潔癖症、しかもちょっとハゲてきてる。
という俺が女子ならほっとかないであろう芸人志望の人に会ってきた。
こんなにあらゆるものを持っているのに何故童貞なのか!
アガサ・クリスティもビックリのミステリーである(偶然にも韻を踏んでしまうラッパーの性)
見た目は俺をガリガリにして、体も顔も全部小さくしたようなオタクのようなおじいちゃんのような感じだ。
彼は超潔癖で常にアルコールスプレーを持っている。
店に入る前に自分の服にかけたり、イスに座る前にアルコールをかけたティッシュで拭くのだ。
電車で乗ってくる人に触れたくないから
駅に着く度にいちいち降りるのは面白かった。
さすが芸人志望だ。
が
しかし
そんなんで生きていけるのか?
と心配になった。
金がなくて一日1食インスタントラーメンしか食べないらしい。
バイトはデスクワークしかできないしコールセンターのバイトもそんなにしたくないらしい。
彼はバーガーキングでクーポンを使って100円のポテトを買っていた。
どこがキングやねん!
とツッコむところだったが
店側がキングなのであって我々は庶民なので彼の行動はボケではなかった。
コレが現代の格差社会なのだ。
彼は水をもらい、精神安定剤を飲んでいる。
財布がボロボロだ。
靴も穴が空くまで履くらしい。
潔癖症ではあるが別に綺麗好きというわけではないそうだ。
俺は思った。勝手に。
潔癖症というのは自分のテリトリーに他人が入るのが怖いのかもしれない。
「自分は他人に受け入れられない」という心理があり、防衛本能が働き反転した結果、潔癖症になるのかもしれない。
彼が童貞ということ事実も含めそう感じた。
俺は全然潔癖症ではないが
そういう心理はわかる。
俺の場合は人に嫌われないように自分で他人に見せたい自分をコントロールしようとする。
だから「その日行きたくなったらどうしよう」と思って先の予定とかもなるべく立てたくない。
でも実は自分で自分をコントロール出来ないような状況に追い込まれた方が人間面白くなれるんだろうと思う。
だってテレビのドッキリとかそうじゃん。
高いものを自分で買うとかも、ある意味自分ドッキリ。
収入に見合わない家に住むとか。
だからどんどん人前に出てって
自分のやりたいことやった方が結果的に面白い。
好きな子に告白してフラれた方が面白い。
っていうかそれを面白がるんだよ。
そういう風に考えると少し気が楽になった。
先の予定もその時の自分で行けばいいんだ。
彼は帰りの駅までの道を歩いている時に言った。
「なんか今日失礼なこと言ってないですか?」
えっなんで?と問うと
「僕は知らないうちに人に失礼なことを言っちゃうんで」
少し考えて
俺はマジなトーンで言った。
「あぁ沢山言われたよ。」
じゃあまたね。