ほとんど家にいる

フリーター時々ニートが世の中にある「死ねばいいのに」と思ったことを書きます。

「彼女がその名を知らない鳥たち」ツッコミ映画評

メンヘラホイホイバンドマンの

ツッコミ映画評の時間です。

 

彼女がその名を知らない鳥たち

 

いい映画で泣いてしまった。

 

蒼井優が1000万の価値のあるほどいい女かとか

偉いやつなら他にいくらでもいい女抱けるだろとか

細かいツッコミはあるが

置いといて

 

最大に気になるのは阿部サダヲが始終良い奴だということだ。

汚くてノンデリカシーで稼ぎが少ないだけで良い奴である。

毎日休まず仕事に行き料理を作りニートの嫁に金も置いていく。

それなのに女をイかせてセックスもしないで寝る。

超良い男ではないか。

 

阿部は蒼井優に何故これほどまでに尽くすのか?

惚れているから?

昔殺人をしたから?

彼女が昔の恋愛で傷ついているから?

自分が種なしだから?

そこら辺の阿部の感情に納得できない。

 

そのせいで感想が「無償の愛」だとか「純愛」という言葉に収まってしまう人が少なくない。

 

 

つまり阿部はもっと酷い男であるべきで

風俗に行ってるとか

他に女がいるとか

ギャンブルしてるとか

暴力をふるうとか

蒼井優の下着でオナニーしてるとかトイレを盗撮してるとか

 

そういう男にすべきだし

俺が監督ならそうする。

 

たぶん原作がそうなってないのだろう。(読んでないが)

 

原作は女の人である。

だから割と逆説的に、稼ぎが少なくて汚くてセックスを求めてくるような男はその時点で酷い!と女は思っていると考えることが出来る。

 

えっと何が言いたいかというと

阿部サダヲが始めから良い奴なのでラストで

蒼井優をかばってたと知っても

価値観の転換が起こらない。

 

故に「純愛」という価値観にタダ収まってしまう。

よくわかんないけど最後自ら死んじゃうしね。

 

そういう所のバランスが絶妙にうまいのが是枝裕和なんや!

僕は邦画を見るとどうしても是枝監督と比べてしまうのだが

白石和彌監督も悪くはない。

ほかの見てないけど。

 

原作の沼田まほかるさんは嫌な気持ちになるミステリー作家と言われてるらしいが

白石和彌監督も含めて

 

阿部サダヲをクズに描いて

それでも彼女を愛してたってことを描いて

っていうかそれこそ愛だよねってことを

描いてこそ

観た後に気持ち悪くなるんじゃないか!

 

それは「純愛」とか「無償の愛」とかいう言葉で人間が割り切れないから

だから肯定されたような気持ちになって

いい映画になるわけだよ。

だから気持ち悪くなりたいんだよ!

 

まぁでもねそういう映画にすると

ヒットはさせにくいので

結果的に普通の女の子とかも見やすくはなっていて

結構評判がいいんじゃないかと思う。

 

まぁでもいい映画でしたよ。